2026年1月6日火曜日

強制ゴールという名のMBO

 「強制ゴール」

MBOは、長期投資家にとって少し厄介なイベントだ。
「強制ゴール」という言葉が、これほどしっくりくる場面もない。

こちらは10年、20年と持ち続けるつもりで企業を見ている。
時間を味方につけ、事業の成長とともに歩むつもりでいる。
だがMBOが発表された瞬間、そのレースは唐突に終わる。

しかも悪い形で終わるわけではない。
多くの場合、TOB価格にはプレミアムが付く。
損をするどころか、きれいなリターンが確定することも多い。

それでも、どこか釈然としない。

なぜならMBOは、
「この企業を長く持ち続けたい」という投資家の意思とは無関係に、
ゴールテープを引かれてしまう行為だからだ。

一方で、冷静に考えると皮肉でもある。
MBOが起きるのは、たいてい「良い会社」だ。
市場が十分に評価していないと経営陣が感じ、
自らの資金と責任を賭けて、会社を市場から引き上げる。

それはつまり、

市場よりも、経営陣の方が
この会社の未来を強く信じている

という状況でもある。

長期投資家が信じていた企業価値を、
最後に証明するのがMBOだとすれば、
それは祝福すべき強制ゴールなのかもしれない。

永久保有を掲げていても、永久に持てるとは限らない。
MBOは、その現実を静かに突きつけてくる。

強制ゴールという名のMBO。
それは、長期投資の終わりであり、
同時に、自分の判断が間違っていなかったことを示す
少し複雑な答え合わせでもある。

 

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