上場企業長生きランキング2位の住友金属鉱山についてです。
[住友金属鉱山について]
住友金属鉱山は「資源」「製錬」「材料」の3つを柱とする非鉄大手です。売上は精錬セグメントが大部分を占めていますが、利益は資源および精錬セグメントからきます。ちなみに最初に創業者が確立した技術は「南蛮吹き」です。銀を含む粗銅から銀を分離精錬する技術です。
▶︎上場:東京証券取引所第一部
▶︎コード番号:5713
▶︎業種:非鉄金属業
▶︎シンボル
[歴史]
▶︎創業者
蘇我理右衛門
▶︎沿革
1590年(天正18年) 京都にて銅製錬・銅細工を創業
1927年 住友別子鉱山(株)設立
1937年 住友別子鉱山(株)と住友炭礦(株)を合併し、住友鉱業(株)設立
1946年 井華鉱業(株)に改称
1950年 井華鉱業(株)の金属部門から、別子鉱業(株)設立
1950年 東京証券取引所第一部上場
1952年 住友金属鉱山(株)に改称
[経営理念]
住友グループなのでちょっと状況が複雑です。
住友グループの理念がバックボーンとしてあり、その上に住友金属鉱山としての理念があるからです。
まずは住友の理念からです。
「住友の事業精神」という言葉で下記のように書かれています。
第1条は、信頼を重視せよ、ということではないでしょうか。
第2条は、前段は、現状に満足せず、世の変化に対応していけということではないでしょうか。
後段は、目先の利益のため軽はずみなことはするな、ということでしょうか。
素晴らしい理念です。
(住友金属鉱山HPから抜粋)
これらの上に住友金属鉱山の理念があります。「ものづくり企業としての社会的な使命と責任」とありますが、ちょっとぼやけているように感じます。また「高品質な材料を提供し、企業価値の最大化をめざす」とあります。社会の発展に貢献するとかなら分かるのですが、企業価値の最大化ときました。
(住友金属鉱山HPから抜粋)
[業績]
FY2019からIFRS採用ですが、FY2018までは日本会計基準(JGAAP)を採用しています。2016, 2017年は稼げていません。資源セグメントで所有する鉱山の減損処理に伴う投資評価損と金属価格下落が主要因です。OP marginは10%近辺で安定ですが、多くの鉱山を有するため、場合によっては投資評価損が営業外損失として発生して純利益を押し下げます。
FCFが安定してプラスになっていません。cashはやや減少方向に見えます。鉱山運営には権益の購入など多額の投資が必要になるため投資キャッシュフローが多めのため、財務の舵取りには細心の注意が求められます。
金属相場の影響を強く受ける傾向にあるので、金属価格相場は意識したほうがいいでしょう。金属相場の確認にはLME(London Metal Exchange)がおすすめです。
https://www.lme.com/
[株価]
株価推移10年@20190507です。S&P500に対してアンダーパフォームしています。経営理念に掲げている「企業価値の最大化」が株価にいつか表れるといいのですが。
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