―― それは規模の指標ではなく、企業の“生存力”を測る数字である
売上高は、
決算書の中で最も目立つ数字だ。
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過去最高売上
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売上〇%成長
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売上1兆円突破
ニュースも、企業説明も、
まず売上から始まる。
だが長期投資家、
ましてや永久投資を志向する投資家にとって、
売上高は「成長」を示す数字ではない。
それは、
企業が社会に必要とされ続けているか
を測るための指標だ。
そもそも売上高とは何か
売上高とは、
顧客が、その企業にお金を払った総額
である。
利益ではない。
キャッシュフローでもない。
「選ばれた事実の積み重ね」
それが売上高だ。
だからこそ、
長期投資家にとって重要になる。
なぜ「売上成長率」だけを見てはいけないのか
理由①:売上は“作れる”数字である
売上高は、
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値引き
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販売奨励金
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無理な拡販
で、短期的に伸ばせる。
その結果、
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利益率が下がる
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ブランドが傷つく
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顧客が定着しない
という事態も起きる。
売上が伸びた理由を見ない限り、
長期投資では意味を持たない。
理由②:売上成長は、必ずどこかで止まる
市場には限界がある。
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人口
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用途
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規制
どんな企業でも、
売上はいつか頭打ちになる。
永久投資家は、
成長が止まった後の企業像を
想像しなければならない。
理由③:売上が伸びても、価値が増えるとは限らない
売上が2倍になっても、
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利益が増えない
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キャッシュが残らない
なら、企業価値は増えない。
売上高は、
単独では価値を生まない数字だ。
長期投資家が売上高を見る3つの視点
視点①:売上の「質」
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価格は上げられているか
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継続課金・消耗品型か
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顧客は定着しているか
売上の質が高い企業は、
売上が横ばいでも強い。
視点②:売上構成の変化
重要なのは、
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どの事業が伸び
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どの事業が縮んでいるか
合計売上よりも、
中身の入れ替わりを見る。
長寿企業は、
売上を「保つ」のではなく、
入れ替えている。
視点③:不況期の売上耐性
永久投資家が見るべきは、
売上が伸びる時ではなく、
落ちる時の姿だ。
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どこまで落ちるか
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回復にどれだけ時間がかかるか
これが企業の生存力を示す。
長寿企業に共通する売上高の特徴
長寿企業の売上には、
派手さはない。
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急成長しない
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急落しにくい
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数十年続く
売上高とは、企業と社会の関係の履歴だ。
一度壊れた関係は、
簡単には戻らない。
売上高と利益の“距離”を測れ
長期投資家は、
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売上 → 利益
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売上 → キャッシュ
への変換効率を見る。
この距離が、
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短い企業:強い
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長くなっていく企業:危うい
売上が増えているのに、
利益がついてこない企業は、
どこかに無理がある。
永久投資家にとって理想の売上高とは
意外かもしれないが、
永久投資における理想は、
「ほどほどに伸び続ける売上」
である。
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急成長は不要
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だが、衰退は致命的
売上高とは、
企業が社会に居場所を持ち続けている証拠
にすぎない。
結論:売上高は“希望”ではなく“現実”
売上高は夢を語らない。
それは、
今この瞬間の現実を突きつける数字だ。
長期投資家は、
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売上が増えたか
ではなく、 -
なぜその水準を保てているか
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何を捨て、何を残しているか
を見る。
売上高を正しく読めるようになると、
企業の寿命が見えてくる。
それこそが、
永久投資家にとっての
本当の価値である。
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