―― 選択と集中を極限まで突き詰めた長寿企業の光と影
HOYA(7741)は、
決して語りやすい会社ではない。
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何をやっている会社か分かりにくい
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配当利回りは高くない
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PERもPBRも常に高め
それでも長期投資家の視界から、
この会社は消えない。
なぜか。
HOYAは永久投資の核心を突いてくる企業だからだ。
HOYAという企業の出自
―― 創業年と創業者が示す、原点の思想
HOYAは
1941年、山中正治氏によって創業された。
創業の地は東京都・保谷町(現在の西東京市)。
社名の「HOYA」は、
この地名に由来している。
戦時下に始まった小さな光学ガラスメーカーが、
80年以上を経て、
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半導体用フォトマスク
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メディカル(眼内レンズなど)
という分野で世界的企業になる。
この時点で、
HOYAは「何を作る会社か」よりも、
「生き残る会社」だったことが分かる。
HOYAの本質
―― 事業ではなく「判断」を積み上げてきた会社
HOYAは、
ヒット商品で語る会社ではない。
代わりに、
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儲からない事業は売る
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将来性のない分野は撤退する
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感情より数字を優先する
これを、徹底して繰り返してきた会社だ。
カメラレンズや映像事業といった
“分かりやすい顔”を捨ててきたのは、
象徴的である。
永久投資の世界では、
この冷徹さは強さでもあり、
同時にリスクでもある。
永久投資として直視すべきHOYAの5つのリスク
HOYAは優等生だ。
しかし、優等生であること自体がリスクになる。
リスク①:事業内容が投資家にとって分かりにくい
HOYAは説明しづらい。
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フォトマスク
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医療機器
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精密部材
どれも専門的で、
一般投資家の理解を超えやすい。
これは、
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市場評価が急に変わる
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誤解されたまま放置される
というリスクを孕む。
リスク②:高ROIC経営が前提になりすぎている
HOYAは、
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投下資本利益率
-
フリーキャッシュフロー
が非常に高い。
だが市場は、
それを「当然」として織り込んでいる。
少しでも崩れれば、
評価は急速に厳しくなる。
リスク③:選択と集中が“やりすぎ”になる可能性
HOYAは情を捨てる。
これは合理的だが、
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長期育成
-
周辺技術の蓄積
が切り捨てられる可能性もある。
未来の芽を
数字が見えないうちに刈ってしまう
危険性は否定できない。
リスク④:配当が永久投資家の精神的支えになりにくい
HOYAは、
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配当利回りは低め
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配当性向も控えめ
代わりに自社株買いを重視する。
これは合理的だが、
永久投資家にとっては、
「待たされる時間が長い投資」
になる。
リスク⑤:高評価が“常態化”している
HOYAは常に、
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高PER
-
高PBR
と言われ続けてきた。
それでも正当化してきたが、
永久に許される保証はない。
評価が高いままの企業は、
下方修正に弱い。
それでもHOYAを永久投資候補に残す理由
リスクを並べても、
HOYAはなお魅力的だ。
理由①:壊れにくいビジネスモデル
HOYAの製品は、
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代替されにくい
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高度な技術依存
-
顧客の切替コストが高い
これは長寿企業の条件だ。
理由②:経営判断が一貫している
HOYAは流行に乗らない。
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無理なM&Aをしない
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成長物語を誇張しない
この姿勢は、
永久投資において最大の安心材料になる。
理由③:「放置できない」永久投資対象である
HOYAは、
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信じきることもできない
-
だが、疑いすぎる必要もない
思考を止めさせない企業だ。
永久投資とは、考え続ける投資である。
結論:HOYAは永久投資の「覚悟」を試す会社
HOYAは、優しい会社ではない。
だが、誠実な会社ではある。
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配当で慰めない
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分かりやすい夢を語らない
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ただ、結果で示す
この会社を持ち続けるということは、
自分の時間軸を信じ続けることに他ならない。
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