2025年10月1日水曜日

HOYA(7741)

 ―― 選択と集中を極限まで突き詰めた長寿企業の光と影

HOYA(7741)は、
決して語りやすい会社ではない。

  • 何をやっている会社か分かりにくい

  • 配当利回りは高くない

  • PERもPBRも常に高め

それでも長期投資家の視界から、
この会社は消えない。

なぜか。
HOYAは永久投資の核心を突いてくる企業だからだ。

 

HOYAという企業の出自

―― 創業年と創業者が示す、原点の思想

HOYAは
1941年、山中正治氏によって創業された。

創業の地は東京都・保谷町(現在の西東京市)。
社名の「HOYA」は、
この地名に由来している。

戦時下に始まった小さな光学ガラスメーカーが、
80年以上を経て、

  • 半導体用フォトマスク

  • メディカル(眼内レンズなど)

という分野で世界的企業になる。

この時点で、
HOYAは「何を作る会社か」よりも、
「生き残る会社」だったことが分かる。


HOYAの本質

―― 事業ではなく「判断」を積み上げてきた会社

HOYAは、
ヒット商品で語る会社ではない。

代わりに、

  • 儲からない事業は売る

  • 将来性のない分野は撤退する

  • 感情より数字を優先する

これを、徹底して繰り返してきた会社だ。

カメラレンズや映像事業といった
“分かりやすい顔”を捨ててきたのは、
象徴的である。

永久投資の世界では、
この冷徹さは強さでもあり、
同時にリスクでもある。


永久投資として直視すべきHOYAの5つのリスク

HOYAは優等生だ。
しかし、優等生であること自体がリスクになる。


リスク①:事業内容が投資家にとって分かりにくい

HOYAは説明しづらい。

  • フォトマスク

  • 医療機器

  • 精密部材

どれも専門的で、
一般投資家の理解を超えやすい。

これは、

  • 市場評価が急に変わる

  • 誤解されたまま放置される

というリスクを孕む。


リスク②:高ROIC経営が前提になりすぎている

HOYAは、

  • 投下資本利益率

  • フリーキャッシュフロー

が非常に高い。

だが市場は、
それを「当然」として織り込んでいる。

少しでも崩れれば、
評価は急速に厳しくなる。


リスク③:選択と集中が“やりすぎ”になる可能性

HOYAは情を捨てる。

これは合理的だが、

  • 長期育成

  • 周辺技術の蓄積

が切り捨てられる可能性もある。

未来の芽を
数字が見えないうちに刈ってしまう
危険性は否定できない。


リスク④:配当が永久投資家の精神的支えになりにくい

HOYAは、

  • 配当利回りは低め

  • 配当性向も控えめ

代わりに自社株買いを重視する。

これは合理的だが、
永久投資家にとっては、

「待たされる時間が長い投資」

になる。


リスク⑤:高評価が“常態化”している

HOYAは常に、

  • 高PER

  • 高PBR

と言われ続けてきた。

それでも正当化してきたが、
永久に許される保証はない。

評価が高いままの企業は、
下方修正に弱い。


それでもHOYAを永久投資候補に残す理由

リスクを並べても、
HOYAはなお魅力的だ。


理由①:壊れにくいビジネスモデル

HOYAの製品は、

  • 代替されにくい

  • 高度な技術依存

  • 顧客の切替コストが高い

これは長寿企業の条件だ。


理由②:経営判断が一貫している

HOYAは流行に乗らない。

  • 無理なM&Aをしない

  • 成長物語を誇張しない

この姿勢は、
永久投資において最大の安心材料になる。


理由③:「放置できない」永久投資対象である

HOYAは、

  • 信じきることもできない

  • だが、疑いすぎる必要もない

思考を止めさせない企業だ。

永久投資とは、考え続ける投資である。


結論:HOYAは永久投資の「覚悟」を試す会社

HOYAは、優しい会社ではない。
だが、誠実な会社ではある。

  • 配当で慰めない

  • 分かりやすい夢を語らない

  • ただ、結果で示す

この会社を持ち続けるということは、
自分の時間軸を信じ続けることに他ならない。


 

 

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