――永久投資とは「時間を味方につける投資」である
長期投資を続けていると、
どうしても派手な企業に目が向く。
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高成長
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高利益率
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革新的な技術
だが、永久投資という視点で考えたとき、
本当に信頼できるのは、むしろその逆だ。
派手さはないが、100年以上、生き残ってきた会社。
2025年6月に取り上げる企業として、
私はキッコーマンを選ぶ。
キッコーマンは「醤油会社」ではない
キッコーマンと聞くと、
多くの人は「醤油メーカー」を思い浮かべる。
しかし永久投資家の視点では、
この理解は不十分だ。
キッコーマンの本質は、
発酵技術 × 食文化 × 日常消費
という、極めて強固な構造にある。
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毎日使われる
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無意識に選ばれる
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代替されにくい
これは景気にも、技術革新にも、
非常に強いビジネスモデルだ。
なぜ100年以上、生き残れたのか
キッコーマンは
流行を追いかけてきた会社ではない。
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味を大きく変えない
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ブランドを壊さない
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無理な拡大をしない
その代わりに、
時間をかけて“信頼”を積み上げてきた。
永久投資とは、
「変化に強い会社」ではなく、
「変わらなくていい部分を知っている会社」に投資すること
なのかもしれない。
PBRが語る、キッコーマンの経営姿勢
キッコーマンのPBRは、
極端に低くも、高くもない。
これは偶然ではない。
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資本を溜め込みすぎない
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無理な投資をしない
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株主還元も、将来投資も怠らない
市場はこの姿勢を、
**「信頼できる経営」**として評価してきた。
PBRは安さの指標ではない。
経営への信用度だ。
キッコーマンのPBRが1倍を割りにくい理由は、
そこにある。
海外比率の高さは「静かな競争優位」
キッコーマンは、
日本企業でありながら、
海外売上比率が高い。
特に米国では、
「醤油」はすでに調味料の一ジャンルとして定着している。
重要なのは、
これが派手なM&Aの結果ではない点だ。
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現地生産
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現地雇用
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数十年単位の浸透
時間を武器にしたグローバル化。
これは永久投資家が最も評価すべき成長だ。
永久投資家が直視すべき5つのリスク
もちろん、
キッコーマンも無リスクではない。
リスク①:原材料価格の変動
大豆・小麦の価格は、
地政学・気候変動の影響を受けやすい。
ただし
価格転嫁が可能なブランド力が、
致命傷を防いでいる。
リスク②:食文化の変化
減塩・健康志向は無視できない。
だがキッコーマンは
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減塩商品
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機能性提案
で、文化の変化に“追随”してきた。
リスク③:成熟市場の成長鈍化
日本市場は確実に縮む。
しかし同社は
すでに日本依存から脱している。
これは長寿企業として、
非常に重要な点だ。
リスク④:為替の影響
グローバル企業である以上、
為替の影響は避けられない。
ただし
事業が生活必需に近いため、
業績の振れは限定的だ。
リスク⑤:地味すぎるという最大の弱点
キッコーマンは、
投資家にとって退屈に見える。
だが永久投資において、
退屈は最大の美徳でもある。
それでも永久投資候補に残る理由
キッコーマンは
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急成長しない
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驚かせない
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失望もさせにくい
だが、
10年後、20年後も
食卓に存在している確率が極めて高い。
永久投資とは、
この「確率」に賭ける行為だ。
結論:永久投資とは、味が変わらないことを信じること
キッコーマンは、
未来を語る会社ではない。
日常を守り続ける会社だ。
派手な企業分析に疲れた長期投資家に、
こう問いかけたい。
あなたは、
100年後も残る“普通”に投資できるだろうか。
それが、永久投資という考え方である。
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