2025年4月1日火曜日

キーエンス(6861)

 “最強企業”だからこそ

キーエンスは日本株の中で

  • 営業利益率50%超

  • ROICは異常値

  • 無借金

  • 景気後退期でも黒字

という、教科書を破壊する存在です。

しかし多くの投資家は

  • 「高すぎる」

  • 「PERが異常」

  • 「今さら買えない」

という感情的な理由で思考を止めます。

👉 2025年4月は、
「それでも永久投資に値するのか?」を冷静に考えてみます

永久投資家にとって、最も考えにくく、最も学びの多い企業だからである。

 

キーエンスという会社の本質

― 「検査・測定・可視化」という人類の基本機能

キーエンスの製品は派手ではない。
だが、どの産業にも必ず存在する。

  • センサー

  • 画像処理

  • 測定

  • 検査

これは言い換えれば、

「現場で起きていることを、正確に“見る”ための装置」

飲料、医薬、半導体、自動車、電池、食品、物流。
産業が存在する限り、
“見えないものを見たい”という需要は消えない。

永久投資家の視点では、
この時点でキーエンスは候補から外れない。


なぜ「高PER」なのに、評価され続けてきたのか

キーエンスは常に
「高すぎる」「今さら買えない」と言われてきた。

それでも株価は、長期で見れば右肩上がりだ。

理由は単純で、
市場の期待を裏切り続けなかったからである。

  • 利益率が落ちない

  • 資本効率が崩れない

  • 景気循環を乗り越える

PERが高いのではない。
高いPERを“正当化し続けてきた”会社なのだ。

PERを割安・割高の指標として使う投資家にとって、
キーエンスは最初から理解不能な存在である。


永久投資家が直視すべき「5つのリスク」

ただし、
強い会社=永久投資に向く会社
とは限らない。

ここからが本題だ。


リスク①:人材モデルが極端すぎる

キーエンスの強さは

  • 高度に標準化された営業

  • 異常な生産性

  • 精鋭主義

によって支えられている。

しかしこれは同時に、
人材の質に依存しすぎているということでもある。

  • 採用環境が変わったら?

  • 働き方の価値観が変わったら?

このモデルが50年続くかは、誰にも分からない。


リスク②:価格の高さは、永遠には許されない

キーエンス製品は高い。
そしてそれを正当化する価値を提供してきた。

だが

  • 技術の民主化

  • 中国メーカーの台頭

  • ソフトウェア化

が進めば、
「そこまで払う必要はない」という選択肢が増える。

価格決定力は強みだが、
永遠の特権ではない。


リスク③:製造業依存という構造

キーエンスは製造業と運命共同体だ。

世界の製造業は今後も続く。
しかし

  • 投資サイクル

  • 地政学リスク

  • 産業構造の変化

からは逃れられない。

永久投資家にとって、
業績が“揺れる会社”を持ち続けられるかは重要な論点である。


リスク④:M&Aを使わないという制約

キーエンスは基本的に

  • 内製

  • 有機成長

を重視してきた。

これは強みである一方、
技術転換が外から来た場合の対応力には疑問が残る。

世界が非連続に変わったとき、
「自前主義」は足かせになる可能性もある。


リスク⑤:完璧すぎるがゆえの“期待値地獄”

キーエンスに市場が求めるのは

  • 成長

  • 高利益率

  • 安定

そのすべてだ。

少しでも崩れれば、
失望は一気に表面化する。

永久投資とは、
企業だけでなく、投資家自身の忍耐力も試される行為である。


それでもキーエンスが永久投資候補から消えない理由

ここまで読めば、
「やはり危険なのでは?」と思うかもしれない。

それでも私は、
キーエンスを永久投資候補から外さない。

理由は一つ。

検査・測定・可視化は、
人類が産業を続ける限り、必ず必要な機能だからだ。

キーエンスは
トレンドではなく、構造の上に立っている。


結論:キーエンスは「信仰」ではなく「問い」として持つ会社

キーエンスは

  • 安心して買える会社ではない

  • だが、考えずに無視してよい会社でもない

永久投資家にとって重要なのは、

「この会社を、10年後も冷静に評価し続けられるか」

という問いに耐えられるかどうかだ。

キーエンスは、
永久投資家の思考を最も鍛えてくれる会社である。

 

 

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