2025年1月1日水曜日

長期投資家が着目すべき投資指標5選

 ――「成長率」よりも「企業寿命」を測るために

 

短期投資と長期投資の違いは、時間軸だけではない。
見るべき指標そのものが違う。

長期投資、ましてや「永久投資」を志向するなら、
一時的な売上成長やEPSのブレに一喜一憂してはいけない。

重要なのは――
この企業は、10年後・20年後も“社会から必要とされているか”
それを数値で推し量るための指標である。


指標①:ROIC(投下資本利益率)

― 経営の「質」を最も正直に映す数字

ROICは

「経営者が預かった資本を、どれだけ効率的に使っているか」

を示す指標だ。

長寿企業の多くに共通するのは

  • 派手な成長はしない

  • しかし資本効率を壊さない

という姿勢。

✔ ROICが資本コスト(WACC)を安定的に上回っているか
✔ 景気悪化局面でも急激に崩れないか

永久投資家にとって、
ROICは「経営哲学の成績表」である。


指標②:営業キャッシュフロー(安定性)

― 利益よりも「現金」を信じよ

長期で生き残る企業は、
会計上の利益ではなく、現金を生み続ける。

  • 営業CFが長期的にプラス

  • 設備投資後でも現金が残る

  • 不況期に急減しない

こうした企業は
借金に追い込まれにくく、M&Aや投資の自由度が高い。

永久投資とは
「倒産リスクを極限まで下げる投資」でもある。

👉 営業CFは“企業の生命維持装置”


指標③:売上総利益率(粗利率)の長期推移

― 競争優位は“高さ”より“持続性”に出る

粗利率が高い企業は魅力的だ。
しかし永久投資で見るべきは、

高いかどうかではなく、10年以上“保てているか”

  • 技術が模倣されていないか

  • 価格交渉力が維持されているか

  • 顧客との関係が深いか

これらはすべて、粗利率の推移に表れる。

✔ 少しずつ下がる → 競争激化
✔ 横ばい → 強固なポジション
✔ 上昇 → 構造的優位が拡大中

永久投資家は「点」ではなく「線」で見る。


指標④:研究開発費 ÷ 売上高

― 未来を食いつぶしていないか?

長寿企業は
「今を稼ぎ、未来を仕込む」ことを同時に行う。

R&D比率が

  • 低すぎる → 未来を捨てている

  • 高すぎる → 収益規律がない

このバランスが重要だ。

特に注目すべきは
✔ 不況期でもR&Dを削らないか
✔ 研究テーマが事業と接続しているか

👉 研究開発は“企業の老化防止薬”


指標⑤:配当性向ではなく「配当の思想」

― 数字よりも“姿勢”を見る

永久投資では

  • 高配当かどうか

  • 配当利回りが何%か

は二次的だ。

見るべきは
✔ 減配しにくいか
✔ 無理な増配をしていないか
✔ 投資と還元のバランスが一貫しているか

長寿企業は
株主を“短期の顧客”として扱わない。

配当は
「余ったから配る」のではなく
「持続可能な範囲で共有する」もの。


まとめ:永久投資家は「派手な数字」を信用しない

短期投資家が見るのは

  • 成長率

  • 話題性

  • トレンド

長期投資家が見るのは

  • 資本効率

  • 現金創出力

  • 競争優位の持続性

そして永久投資家が最終的に問うのは、ただ一つ。

この会社は、社会にとって“なくなると困る存在”か?

数字はそのヒントにすぎない。
だが、正しい数字を見なければ、正しい未来は想像できない。

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